活字鉛
活版印刷で使用する凸型の鉛製字型です。鉛(Pb)を主成分として錫(Sn)、アンチモン(Sb)を加えて製造されています。メーカーにより混合比率は変わりますが、アンチモンが15%、錫が5%程度含まれます。アンチモンが多くなると硬さが増します。融点は240℃~270℃となります。
活版印刷は羅針盤、火薬と共にルネサンスの三大発明にあげられ、鉛合金を用いた金属活字はドイツ(神聖ローマ帝国)のマインツ出身のヨハネス・グーテンベルクが発明したといわれています。西暦1439年~1445年頃のことです。鉛を主成分とした金属活字による活版印刷により大量に早く書籍が複製できるようになりました。以後、活版印刷は何世紀にもわたり文字印刷の中心となっていました。1970年代あたりから写植を使用したオフセット印刷が台頭し、DTP(Desktop publishing)の発展により活版印刷は急速に縮小していきました。